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GALLERY ETHERでは、2025年7月12日(土)から8月2日(土)の期間にて、日本人アーティストSAKI OTSUKAのGALLERY ETHERでの4度目となる個展「Taking Back Myself」を開催いたします。本展は、SAKI OTSUKA本人の実体験として、性被害によって失われた「自分自身」を取り戻すため、”あの日”のトラウマの再演を繰り返してきた作家自身による記録・回顧であり、「挑戦」を意味した展覧会。魂の再生を語るインスタレーション作品をはじめ、写真表現、動画作品など、多様な作品で女性として生きるリアルを訴える最後の展覧会となります。

SAKI OTSUKAは、自身が10代の頃に受けた性犯罪被害の後、自分自身の内側を失い、まるで自分が死んでしまった感覚を抱えながら生きてきました。無意識のうちに自身の体験した恐怖を追いかけ、それを乗り越えようとする行動は、新たな被害を生む可能性も孕んでいましたが、それでも彼女は再演を選び続けました。自身の記憶を塗り替えるための試み以外に、自分を守る術がなかったためです。

本展で展示される作品は、そうした過程の中で生まれたものであり、「再現」ではなく「再生」に向けた試みです。自身の中で一度死んでしまった「私」と再び出会うための、痛切で静かな行為です。私たちが暮らすこの社会は、秩序と平和を重んじる場所である一方、日常的に性暴力が横行し、特に女性の尊厳が見過ごされるという矛盾を常に抱えています。性被害は、個人の問題にとどまらず、社会の構造が浮き彫りにされる領域でもあります。

タイトルである「Taking Back Myself」とは、日本語で「失われた私を取り戻すこと」を意味しています。本展が性暴力が未だ存在する現実と、それに抗いながら挑戦し続けるアーティスト自身の声に、静かに耳を傾ける場となることを願っています。

GALLERY ETHERは、作品を通じて表現される作家の「生の声」が、私たちと同じようにあなたの心に響き、あなた自身も私たちと共に作家や他の性的暴力被害者をサポートしていただけることを信じています。

Artists

SAKI OTSUKA

「15歳のとき、私の人生には大きな亀裂が入りました。あの日から性暴力サバイバーとしての人生が始まりました。私は自分の存在を強く訴え、女性という性を生きる希望や絶望を訴えています。「私はここにいる」これが私の声であり、作品です。

私の表現は多岐にわたりますが、写真や絵画を主としています。写真はセルフポートレートや女性にフォーカスしたもの、日々の風景を写し「私はここにいる」ことをストレートに表現しています。絵画は自身の心の痛みや希望と絶望を繰り返しサバイブする様を記録するよう心のままに描き、その変化がサバイバーの痛みの表れであることを伝えています。

社会における女性差別の痛みは個人的なものではありません。「私はここにいる」という訴えは痛みを知る全ての人の訴えだと考えています。自身の作品による共鳴や救いを私は願っています。」

ー SAKI OTSUKA



  • Born in Tokyo
  • Female


otsukasaki.com