Exhibitions

 

日本での初個展となるコロンビア人アーティスト兼キュレーターのジョアン・マンティヤは、フランスの精神分析学者ジャック・ラカンの鏡像段階説に着想を得て、絵画や反射面、拡張現実(AR)の迷宮の中で、現実、想像、象徴を通して人間の心理を探求しながら、アートと心理学を融合させています。本展で展示される作品では「自己」という概念を検証しており、生後数ヶ月の乳児が自分の姿を認識し、その姿に魅了されるというユニークな能力に焦点を当てています。通常、生後6ヶ月から18ヶ月の乳児は、鏡に映った自分の姿を認識することと、実際の身体における協調性の欠如との間で緊張を経験しています。この経験は、「自己」の形成において極めて重要であり、人が成長するにつれて作り上げる想像上のアイデンティティの構築について考察しています。鏡を覗き込んだときに見える自分の姿は、本当の自分ではなく、ゆがめられたり、さまざまな偏見や解釈に左右されたりする反射にすぎません。他人と接するときも同様に、友人、家族、見知らぬ人、そしてソーシャルメディアも同じく鏡の役割を果たしており、私たちが投影していると信じている自分自身の歪んだイメージを反映しています。私たちの自己イメージは、他人が私たちをどのように捉えているかに影響されるため、私たちは自分自身を通してではなく、他人の心を通して自分自身を見ているのです。

Artists

ジョアン・マンティヤ

コロンビア人アーティストでキュレーターのジョアン・マンティヤは、ニューヨークのマンハッタンにあるチェルシーのアート地区で、地元のアーティストたちと共に働きながら、コラージュやグラフィティに没頭していきました。

現在マンティヤは、ニューヨークで活躍するラテン系アーティストの才能にスポットライトを当てるために考案されたアート・イニシアティブ「We Art Colombia」と、ボゴタのサン・フェリペ地区に文化芸術の拠点として設立したギャラリー「BeatBop Gallery」の2つの著名なアートベンチャーの中核を担っています。

マンティヤは、アーティストとして、またキュレーターとして国際的に活躍し、世界のアーティストをつなぎ、コラボレーションを促進する架け橋となっています。現在はボゴタ、ニューヨーク、東京を中心に活動しており、これらの大都市は、世界のアートシーンにおける重要な変化をもたらす起爆剤であると彼は信じています。