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GALLERY ETHERでは、東京を拠点に活動するイタリア人アーティスト Sante Visioni(サンテ・ヴィジオーニ) の個展 「BESTIE」 を、2025年9月20日(土)から10月11日(土)まで開催いたします。

本展「BESTIE」は、人間の本性と私たちの内に潜む動物的本能との複雑な関係性を深く掘り下げます。ペアとなる絵画シリーズを通じて、忠誠心、知恵、勇気、知性といった人間的特質を動物に託し、比喩として描き出します。各作品のペアは、美徳と悪徳の繊細な均衡を示しており、一方は肯定的な特質を表現し、もう一方はその裏に潜む暗く荒々しい側面を浮き彫りにします。

タイトル「BESTIE」は、英語では「親友」を意味する一方、イタリア語では「獣」を意味します。この二重の意味を踏まえ、本展は観客に「解き放つ」と「飼い慣らす」の間に常に存在する葛藤を問いかけます。力と破壊、自由と混沌、その紙一重の境界線を強調することで、観る人に内なる本能との向き合い方を考察する契機を与えます。

動物象徴や「内なる悪魔」の比喩を手がかりに、ヴィジオーニの作品は、私たちがバランスや自制を探りながら、原始的衝動とどのように折り合いをつけていくのかを映し出します。それは決して解決に至らず、むしろ絶え間なく続く「舞い」のような交渉の過程です。本展は、観客に自身の内なる二面性や、未だ解き放たれたままの影と対峙することを促します。

Artists

サンテ・ヴィジオー二

フィレンツェ大学で工業技術を学んだ Sante Visioni の芸術表現は、主に“バランス”というコンセプトを重視しています。相反する力が生み出す葛藤を追求することにより、コントラストを利用してどのように私たちの内面を表現することができるかを探求します。彼の作品の中心にそれらを持ち続けると同時に、観衆と彼自身の両者に、また音やその他のメディアに調和させることにより、先験的な視覚表示を超えた没入型の体験を与えることを目的としています。物理的接触の範囲の一部となるこの相互作用の探求は、2010年にイタリアのエレクトロパンクバンドであるDPGのメンバーとなり、彼らのライブで観衆に囲まれながら絵を描いたことが根本的な発端となっている。その瞬間の自発性と即時性は、今もなお彼の創造的なプロセスの生き生きとした部分でもある。

たとえ両者の分野に接点がなくても相互効果の力に強い確信を抱き、プロジェクトや他アーティストとのコラボレーションを追求し、ハイブリッド(混成)の結果に共通性を見出す機会を抱き続けている。スタジオでの活動のほか、ライブパフォーマンスやストリートへの介在、某有名ブランドとのコラボレーションも行っている。

現在は都内在住、東京を拠点に活動している